目視検査自動化の流れと導入イメージ

外観検査AIの導入は、大きく2つのステップに分かれます。第1ステップが「ソフトウェアの適用可能性検証」、第2ステップが「設備設計・実装・納品」です。それぞれのステップにおいて、ハードウェアとソフトウェアの両面から検討すべき項目があります。


第1ステップ ソフトウェアの適用可能性検証

ハードウェア面の重要なポイント

まず、ハードウェア面では、適用可能性検証の段階で「撮影環境の構築」を行います。これは、AIの学習データの質に直接関わる重要なポイントです。検討すべき項目は、検査対象であるワークの特徴と、最終的な導入イメージです。検査対象が何面であるか、材質や色味はどうか、各不良が発生しやすい箇所はどこかなどを考慮して、適切な撮影環境を整えます。また、最終的な導入イメージを意識しておくことも重要です。これを考慮せずに撮影環境を構築してしまうと、実際に検査装置を設計する際に問題が発生するリスクがあります。

続いて、「設備設計・実装・納品」の段階では、工場の設置環境やスペース、検査後の製品管理、投入方法などを具体的に設計します。

ソフトウェア面の重要なポイント

ソフトウェア面での最も重要なポイントは、データを3つに分けて検証することです。AIの学習データ、学習の評価に使用する評価データ、そして学習や評価に使用しないテストデータです。テストデータを用いることで、実際の運用に即した精度検証が行え、テストデータで高い精度が出た場合、検査に有効なAIであると判断できます。

第2ステップ 設備設計・実装・納品

「設備設計・実装・納品」の段階では、装置の開発期間を活用して追加の不良サンプルを集めることが非常に重要です。これは、AIの学習における「データ量」の確保に大きく関わる部分です。適用可能性検証である程度の精度を確認して導入しても、より多くのサンプルで学習させることで、AIの安定性と汎用性を向上させることが可能です。

そのため、装置開発の期間を使って不良サンプルを収集しておくことで、検査機導入後、すぐに製品の撮影や学習が行え、AI検査装置の早期立ち上げが実現できます。

要点をまとめると、ハードウェア面では検証段階から最終導入イメージを持つことが大切で、ソフトウェア面ではデータを3種類に分けてテストし、開発期間中に不良サンプルを収集することが、迅速な運用開始に繋がります。このポイントを押さえ、今後の取り組みに役立ててください。

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